こんにちは!イー・ガーディアン ゲームリサーチチームです。

前回の記事に引き続き、ゲームリサーチチームでは、ここ2カ月間でリリースされたゲームタイトルに関して、Twitter上で投稿されたRTを含む話題量(※1)の調査をしました!最近のゲームタイトルはリリースされる前にどのようなプロモーションを行い、それによりユーザーがどのくらい話題にしたり、拡散したのかなどを、メンション数を基にランキング作成。実際に各ゲームタイトルがリリース後に効果のあったプロモーション施策を探り、自社にも活用できるかも!と参考書になるようなコンテンツを目指し作成しました!長いですが、最後までご覧いただければと思います!

※1 話題量=キーワードが含まれている総投稿数(RT込み)

■直近2ヶ月間の総話題量トップ5は…?

先ず、トップ30は次の通りでした。「忍者マストダイ」が12月リリースにも関わらず一強。昨今ゲーマーの間で話題の「NIKKE」もトップ5にランクインしました。

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※調査期間:2022年11月1日~12月31日(約2ヶ月間)
※調査媒体:Twitter(RT含む)

■「忍者マストダイ」はキャンペーン内に検索されやすい製品名を盛り込む

今回1位だった「忍者マストダイ」は、“ニンマスリリース記念CP”と称して、計4回に渡るプレゼントキャンペーンを実施しました。このキャンペーンの肝は、Amazonギフト券だけでなく、検索されやすい話題の製品名を盛り込んだことでしょう。プレゼント内容が充実していても、それが人の目に触れなければ効果は現れにくいことから、この戦略は非常に有効であったと考えられます。

■「大繁盛!ももはな飯店」もリリースキャンペーンとコラボで話題量を増やす

「忍者マストダイ」と同様に本タイトルでもリリースキャンペーンに加え、コラボキャンペーンで話題量を増やしています。Amazonギフト券のプレゼント効果は十分に高く多くのタイトルが行っている中、今回の勝ち組は「大繁盛!ももはな飯店」という結果となりました。

■「三国極戦」はリリース22日前からサイン色紙プレゼントで、ファン層に訴えかける

上位2タイトルがAmazonギフト券やその他の商品に焦点を当てている中、「三国極戦」はリリース22日前から担当声優のサイン色紙をプレゼント。LTV(Life Time Value)が高くなる傾向にあるコアファンを集める方針でキャンペーンを展開していました。また、一般的な知名度は低いものの、歴史上、三国志の幕開けとなる黄巾の乱の首領「張角」をキャンペーン第一弾に起用したことも、こだわりのひとつと言えるでしょう。

■「ミシックヒーローズ」「NIKKE」に関しても他タイトル同様の戦略を取る

4位、5位となった2タイトルのAmazonギフトコードや声優関連のグッズプレゼントなどが主な戦略でRTを伸ばしていました。それ以下のタイトルも基本は同様のキャンペーンが多く見られました。

■果たして、Amazonギフト券は効果的なのか?

ここで分かってきたのは、Amazonギフト券のプレゼントキャンペーンの多さです。このキャンペーンの利点はいくつかありますが、大きな要因は下記になるでしょう。

  • 原則、年齢制限などの障壁が無い
  • 受け渡しがオンラインで済む
  • 全年齢、全カテゴリのユーザーに需要がある

今回の上位5タイトルのほとんどがこのプレゼントキャンペーンを実施していました。そのため、差別化を図るには、忍者マストダイのように他製品のプレゼントを明記するなどの工夫が必要なようです。

■「忍者マストダイ」はショート動画の投稿が多い

一強だった「忍者マストダイ」は、ショート動画の投稿が多いことも特徴です。何度も高難易度コンテンツに挑戦し、パターンを覚えながら攻略する、所謂「死に覚えゲー」という側面もあることから、上手くプレイできた瞬間や笑える失敗など、多くのショート動画が投稿されています。

ひとつひとつの動画の拡散力は微々たるものですが、スピーディでスタイリッシュなゲーム展開が一目で分かることから、幅広いユーザーの興味を引きます。

■「忍者マストダイ」は、Discordをいち早く開設している

また、「忍者マストダイ」はDiscordサーバーをいち早く開設し、ワールドワイドで常時1500人程度がオンライン状態です。日本語専用チャンネルも開設されており、攻略情報がフォーラムで整理されているなど、Discordを活用しコミュニティへの参加価値を高めたことでユーザーのプレイ継続率を向上させています。また、TOP5の中では、「NIKKE」も同様にDiscordサーバーを開設しており、日本国内のリリースタイトルの中では有数の盛り上がりを見せています。この2タイトルが次回、どのような話題量となっているか要注目です。

■ゲームコンテンツのシェアが鍵

今回の調査で際立った特徴は、下記の通りでした。

  • リリースキャンペーン内容はある程度テンプレート化している
  • ゲームコンテンツのシェアが多いタイトルが長期的に上位を維持している

特に、ゲームコンテンツのシェア活性化は、中長期的に見て「自走するプロモーション」と言っても良いでしょう。ユーザーが自主的にコンテンツを共有し、それがゲームの魅力として伝わっていく好循環は、今後のゲームプロモーションの鍵になると考えられます。

例えば、ゲームの動画シェアキャンペーンを行うことも効果的です。イベント攻略動画や、面白かった瞬間の切り抜きなど、画像だけでは伝わりにくいゲームコンテンツの魅力を発信してもらうことで、更に多くのユーザーの興味を引くことになるでしょう。

■実は海外ゲームでは多く取られている手法

このゲームコンテンツの動画シェアは、海外ゲームでは下記のような形でキャンペーンが行われています。

  • 新規ゲームコンテンツ(キャラクター、イベント、新ステージなど)のPVシェアキャンペーン
  • ゲームプレイの配信促進キャンぺーン

ゲームプレイ配信促進キャンペーンは、「AutoChess MOBA」で行われました。

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「AutoChess MOBA」のゲームプレイ配信促進キャンペーンの投稿

「AutoChess MOBA」は日本ではあまり主流ジャンルではないMOBA(Multiplayer Online Battle Arena)というジャンルのゲームで、有名なタイトルでは「League of Legends」などがあり、複数プレイヤーが2チームに分かれて争うRTS(Real time strategy)対戦ゲームです。このキャンペーンは、各プレイヤーがライブ配信サイトでゲーム内のランキングマッチを配信するとプレゼントを配布する、という内容で行われました。計6時間以上配信しなくてはならないなどハードルの高い制約が設けられていましたが、ゲーム内コンテンツの魅力を伝えるには非常に有効な手段だと言えるでしょう。

また、この2点をDiscord内で告知し、他SNSに拡散させるプロモーション手法は、様々なSNSチャネルに波及させる有効な策として海外ではしばしば見られます。

 話題量を増やし、ユーザーを獲得するにはプロモーション量も必要ですが、ゲーム内容にも気を配る必要があります。本タイトルではこの課金方針をプロモーション時に丁寧に説明し、周知するべきだったのかもしれません。

弊社ではこのような海外事例やDiscordも含めたSNS運用も可能です。今後多角化していくSNSプロモーション・キャンペーンの企画・運用でお困りのことがございましたら、是非ご相談いただければと思います。

<サービス詳細>

ソーシャルリスニング:https://www.e-guardian.co.jp/service/social/social-listening/
ゲームSNS運用:https://www.e-guardian.co.jp/service/social/game-sns/

 次回以降も、本記事で挙げたTOP5タイトルの話題量がその後どう変化したかに触れつつ、新規リリースタイトルの状況や注目タイトルなどをご紹介していきたいと思います!

■前回トップ5の推移は?

前回の調査でトップ5だった下記5タイトルの推移は次の通りでした。
「メメントモリ」は依然好調ですが、他タイトルは苦戦を強いられているように見えます。上位2タイトルの「メメントモリ」・「ドルフィンウェーブ」ともにゲームプレイのショート動画やキャラクター・アバターの投稿が目立っており、シェアしたくなるようなゲームコンテンツが多いタイトルはそれだけ露出が増えるようです。

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※調査期間:2022年11月1日~12月31日(約2カ月間)
※調査媒体:Twitter(RT含む)

今回の上位タイトルの推移はどうなるのか。次回も、国内外を含めた最新事情とともにお届けしてまいります。

■注釈

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