こんにちは!イー・ガーディアン ゲームリサーチチームです。

今回、ゲームリサーチチームでは、ここ2カ月間でリリースされたゲームタイトルに関して、Twitter上で投稿されたRTを含む話題量(※1)の調査をしました!最近のゲームタイトルはリリースされる前にどのようなプロモーションを行い、それによりユーザーがどのくらい話題にしたり、拡散したのかなどをメンション数を基にランキングを作成。実際に各ゲームタイトルがリリース後に効果のあったプロモーション施策を探り、自社にも活用できるかも!と参考書になるようなコンテンツを目指し作成しました!長いですが、最後までご覧いただければと思います!

※1 話題量=キーワードが含まれている総投稿数(RT込み)

■ここ2か月間で話題になったゲームタイトルトップ5は…?

 先ず、トップ30は次の通りでした。「メメントモリ」「エタクロニクル」「ドルフィンウェーブ」がほぼ僅差の3強で、続いて「キングオブキングダム」「Echocalypse」と続きました。

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※調査期間:2022年9月1日~10月26日(約2カ月間)
※調査媒体:Twitter(RT含む)

■「メメントモリ」は有名イラストレーターのイラスト自体が強い拡散力

 1位だった「メメントモリ」はカウントダウンキャンペーンと称して、リリース1週間前から毎日、RTキャンペーンを行っていました。このキャンペーンはシンプルですが、結果として非常に効果があったと考えられます。加えて、有名イラストレーター(Nidy-2D-など)を起用し、日本のカルチャーに非常に受け入れられやすいコンテンツであったことから、このイラスト自体のリツイート数も非常に多く、拡散に影響を与えています。

■「エタクロニクル」は幅広い年齢層に訴求している

 こちらのタイトルも基本的には配信記念キャンペーン(カウントダウンに近い)が多くのRTを集めています。また、起用声優発表と、そのサイン色紙プレゼントキャンペーン、小室哲哉氏が手がけた楽曲などで、30代以上のユーザーから話題を獲得。幅広い年齢層に訴求していることが特徴です。

■「ドルフィンウェーブ」は「ウマ娘」の影響も

 「ドルフィンウェーブ」では、リリース開始後の7日間Amazonギフト券当選キャンペーンが、多くのツイート拡散に影響したようです。また、マリンスポーツ×美少女というコンセプトが、類似タイトルである「ウマ娘」からの流入も見受けられました。今後の展開次第では、一大IPに成長するかもしれません。

■「キングオブキングダム」はインフルエンサーの力が目立つ

 「他タイトルと同様のキャンペーンも行っている本タイトルですが、なかやまきんに君を起用したプロモーションが非常に多くのRTを稼いでいます。海外タイトルに良くみられる手法ですが、日本のユーザーには受け入れられやすい傾向にあると言えるでしょう。

■「Echocalypse」も他タイトル同様(カウントダウンキャンペーンなど)のアプローチ

 TVCMと併せてTwitterでキャンペーンを行い、アプローチとしては他タイトルと同様と言えます。やはり、シンプルではありますが、Twitter上ではギフトやゲーム内アイテム配布を前提としたRTキャンペーンがいまだに強い傾向にあるでしょう。

■最も評価が高いのに、話題量の少ない「Marvel Snap」

 今回のリサーチで際立ったのは、やはり、プロモーションのかけ方でしょう。上位5タイトルは事前情報の出し方からゲーム導入に向けたプロモーションが非常に厚く、RTを含めて“人の目に触れる”ことを最重視していたように見えます。

 それに比べ、「Marvel Snap」は、高評価且つゲーム性や内容も十分なものでしたが、話題量として少ない=人の目に触れていない印象です。

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■何故「Marvel Snap」の評価が高いのか

 「Marvel Snap」は1戦3分程度で終了する対戦型カードゲーム。類似ゲームに「TEPPEN」などがありますが、更にルールを簡素化+ゲームスピードを速くし、ストレスフリーに対戦を楽しめることが特徴です。

 カードゲームのマネタイズはカードパックが主になるわけですが、「Marvel Snap」は比較的簡単にカードが入手でき、課金の必要性を感じません。ただ、1,600円に設定されたシーズンパスが非常にお得且つ有効で、この“シーズンごとの課金”が主なマネタイズとなっていると考えられます。

 このような“課金圧の少ない”“健全な対戦ゲーム”として非常に良くできており、ユーザー目線で言えば遊びやすいゲームであると言えるでしょう。そのため、一度でも遊んだユーザーは離れにくく、非常に高いレビュースコアをつけていることになります。

 ただし、上記の通り、人の目に触れていない=ユーザーが少ない。
また、マネタイズとしても課金の必要性を感じにくいことから、日本での売上ランキングは200位以下と非常に苦戦しています。

■日本では話題量も売上も少ない「Marvel Snap」。海外では…

 前述の通り、日本では非常に苦戦している「Marvel Snap」ですが、米国・カナダのApp Storeではリリース初週でダウンロード数530万回(1位)、売上200万ドル以上(TOP10)と非常に好調なスタートとなっていました。

 これは国ごとのMarvel人気の差もありますが、明らかにプロモーション量に差があったと考えられます。やはり、ゲーム性が良くどれだけ高評価であっても“適切な内容と量のプロモーション”が必要であったと言えます。

■リリース時の評価で話題量を下げてしまった「Undecember」

 AAA級タイトルとして世界的に期待されていた韓国のハクスラRPG「Undecember」も、日本では非常に厳しいスタートとなりました。

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 類似ゲームとして、「Diablo Immortal」や「Path of Exile」などのハックアンドスラッシュといえばの大作ゲームが挙げられ、その双方のいわば“良いとこ取り”をした上で、簡素なUIにまとめた非常に良くできたゲームです。

 しかしながら、日本のユーザーには馴染みの薄い“買い切り型の課金コンテンツ”が多く、その単価も数千円に及ぶものが必須であったため、スタート時の評価が非常に低くなり、ユーザーの導入に影響を与えたと考えられます。実は、他ゲームに比べ微課金で十分に楽しめるゲームのはずが、初見で理解されずに評価を落としてしまった一例と言えます。

 話題量を増やし、ユーザーを獲得するにはプロモーション量も必要ですが、ゲーム内容にも気を配る必要があります。本タイトルではこの課金方針をプロモーション時に丁寧に説明し、周知するべきだったのかもしれません。

■総括

 今回、リリース直後のタイトルがどのようなアプローチで話題量を獲得しているか見てきました。初回の調査でしたが、上位5タイトルに共通して言えることは、やはりシンプルで報酬も分かりやすいプロモーションが有効であることです。

 また、日本ユーザーには、有名イラストレーター、声優、インフルエンサーを起用することが非常に有効であることも分かりました。

 逆に、海外のAAAタイトルが苦戦する一端はここにあるかと思われますが、今回挙げた「Marvel Snap」や「Undecember」のような“課金の必要性が低い”ゲームタイトルも、それをプロモーションで説明・周知していくことで、前述のようなアプローチができずとも、より多くのユーザーを獲得できたと考えられます。

 弊社では、このようなリリース前後のプロモーションやキャンペーン企画を調査し効果の有無を分析するだけでなく、ゲーム内容まで深く踏み込んだ上で貴社タイトルにあったプロモーション企画をご提案することも可能です。新規タイトルリリース時には是非、弊社にご相談ください。

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 次回以降も、本記事で挙げたTOP5タイトルの話題量がその後どう変化したかに触れつつ、新規リリースタイトルの状況や注目タイトルなどをご紹介していきたいと思います!

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