皆さん、こんにちは。イー・ガーディアン株式会社ディベロッパーグループの澤井です。 今回は、私たちが2024年8月に開発した「ライブ配信障害検知システム」について詳しくご紹介したいと思います。
拡大を続けるライブ配信市場の現況から、開発背景や本システムの機能など詳しく解説していきますので、最後までぜひご覧ください!
1.ライブ配信市場の現況
昨今、動画コンテンツビジネス市場は右肩上がりで成長を続け、株式会社矢野経済研究所の調査によると、2024年度は9,880億円(前年度比108.9%)と予測されています。中でも、2023年度のライブ配信市場は前年度と比較して112.5%の成長を見せており、この市場の拡大要因として、ライブ配信が新たなコミュニケーションの形として定着し、新規ユーザー数も右肩上がりで増加していることが挙げられています。また、この流れを受けて、ライブ配信事業者数も増加し、ライブ配信の機会自体も増加していることが市場の活性化につながっています。
結果、ライブ配信事業者の従業員数やライブ配信者数の増加、さらには投げ銭機能による収益増加といった現象が観測されていることから、今後さらにライブ配信の市場規模が活発に推移することが予想されています。2.ライブ配信動画でよくある課題
ライブ配信市場が右肩上がりになる一方で、ライブ配信の動画や音声の品質で生じるイライラなどのストレスは視聴者体験に直接影響します。例えば、配信中に映像が停止したり音声が途切れたりすることは、視聴者の満足度を低下させ、ビジネス機会を失う可能性もあります。
よくあるトラブルを挙げていきます。
- ライブ配信中に映像が黒くなって停止してしまう
- 音声が途切れてしまう
- 音量が小さく、聞き取れない
- 回線トラブルなどにより映像が停止してしまう
- 配信の休憩中などに画像を表示する設定にしたまま、解除し忘れる
これらはしばしばSNSやネットの書き込みで散見されていて、運営会社の評判に直結します。
■ 開発のきっかけ
ユーザー満足度を損ねないために企業では様々な対策を行ってますが、今回あるお客様からの「ライブ配信中の映像停止を即座に検知できるシステムが欲しい」というご相談がありました。従来は配信数が少なかったため人手による監視をしてましたが、配信数の大幅な増加が見込まれていたこと、対応の抜け漏れが目立っていたことを受けてより効率的で自動化されたソリューションが求められていました。
そこで、弊社で何か解決ができないかを考えた結果、”ないなら作ってしまえ”と様々な課題を解決するための「ライブ配信障害検知システム」を開発することになりました!
先ほど紹介した市場の伸びも考えられるので、隠れたニーズはあるかなと思っています。
3.課題を解決するために「ライブ配信障害検知システム」を開発!
それでは、システムの紹介をしていきます。
■ 「ライブ配信障害検知システム」概要
私たちの「ライブ配信障害検知システム」は、ウェブページ上のライブ配信をリアルタイムで監視し、様々なトラブルを検知するよう設計されています。具体的には以下の問題を自動で検知します
- 映像の停止:配信中に映像が停止してしまう問題。
- 黒味映像 :画面が黒くなり配信が見られない問題。
- 音声の停止:音声が出なくなる問題。
これらの異常を検知した際には、即座にSlackなどWebhook機能を持つメッセージアプリへアラートを送信します。このリアルタイムアラートにより、担当者は迅速に問題を把握し、即時対応が可能となります。また、専用の監視画面を提供しており、各配信映像のスクリーンショットを確認することができます。異常が検知されるとスクリーンショットに枠が表示され、問題の配信を素早く特定できます。複数の配信でトラブルが発生した場合にも、一元管理画面で一括して確認できるため、効率的な監視が可能です。
4.「ライブ配信障害検知システム」開発のこだわり
・プラットフォームの柔軟性
ライブ配信障害検知システムの特徴の一つは、そのプラットフォームの柔軟性です。このシステムは特定の配信プラットフォームに依存せず、広範囲の配信サービスに対応可能です。また、カスタマイズも可能で、お客様のニーズに合わせて柔軟に対応できます。これにより、様々な環境でのライブ配信に対応し、幅広いユーザーにご利用いただけます。
・高度な冗長性と信頼性
システムのもう一つの特徴は、複数のサーバーを使用して配信内容の監視を行う点です。これにより、配信異常を見逃さない万全の体制を整えています。高度な冗長性により、システムの信頼性を確保し安定した監視を実現しています。
・視聴者と同じ環境での監視
ライブ配信障害検知システムは、視聴者と同じように配信ウェブページを開いて配信を監視します。このアプローチによって、配信元では検知できないようなトラブルについても正確に把握できます。視聴者が実際に体験する可能性のある問題を先に検知することで、早期に対策を講じることができます。
5.導入のメリット
このライブ配信障害検知システムを導入することで、以下のようなメリットがあります
- コスト削減 :人手による監視に比べて、コストを大幅に削減できます。
- 高精度なトラブル検知 :AI技術を活用し、高精度なトラブル検知が可能です。
- 即時対応 :Slackアラートにより、即座に問題に対応できます。
- ユーザー体験の向上 :視聴者と同じ視点での監視が可能なため、高いユーザー体験を提供できます。
- プラットフォームの柔軟性:多くの配信プラットフォームに対応可能で、導入が容易です。
また、今後はさらなる機能の拡充やすでに弊社が持っているAIソリューションとの融合など、新たなニーズに対応するためのアップデートを予定しています。お客様のご要望に合わせて、システムのカスタマイズも可能です。
6.さいごに
ライブ配信障害検知システムは、配信トラブルを迅速に検知し、即座に対応するための強力なツールです。ライブ配信の品質を高め、視聴者に満足いただけるサービスを提供するために、ぜひこのシステムをご検討ください。ご興味を持たれた方は、お気軽にお問い合わせください。
今後とも、どうぞよろしくお願い申し上げます。
■ ライブ配信障害検知システムの詳細
https://www.e-guardian.co.jp/service/net-patrol/live/#a5
■ ライブ配信障害検知システム開発、提供開始のプレスリリース
https://www.e-guardian.co.jp/info/2024/20240829.html
■ アビコミュニティ社がライブ配信障害検知システムを初導入のプレスリリース
https://www.e-guardian.co.jp/info/2024/20241007.html